週刊アクセス
 
 
平成13年4月18日 第52号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
増改築・改装の行方とその内容
トステム 住宅リフォーム価格明示 
単なるリンク集から"サイトガイド"へ
「虫食い土地」売買仲介 〜国土交通省、今秋からデータ整理〜
 
     
     
  増改築・改装の行方とその内容  
  (住宅新報2001.4.27号)  
 
 国土交通省はこのほど、1999年増改築・改装の調査結果を発表した。
 工事件数は前年比15.6%増の46万件余り。うち約9割を占める住宅は、前年比17.5%強の約41万件、工事実施額は約1兆4千5百億円で前年比12.5%増えている。
                                      詳細は国土交通省へ

いわせてんか! 増改築・改装が増えている。いわゆるリフォームであるが、昨今の景気状況からは既存の建物の有効活用となり、利用価値を増加させ、土地建物全体としての資産価値の目減りを防ぎ、保有リスクを回避する手段となる。
 しかし、将来の売却、担保設定に際しては、外観調査によることが多いこと及び土地に対する建物価格の割合が小さいことから、その増分価値が総額に反映されないことが意外と多い。不動産の専門家達は、増改築等による建物の利用価値の増加分を存分に見極め、価格に反映させるよう努力を怠ってはならない。一方で、中古住宅等の売買当事者も、価格には現れていない利用価値を見抜き、交渉の手段の1つとすべきであろう。

 




トステム 住宅リフォーム価格明示
(日経 H13.4.16)
 
 トステムは住宅リフォーム事業を強化する。浴室、洗面所、寝室などを対象に約200種類の改装プランを用意し、いずれも価格を明示して販売する。住宅リフォームはこれまで価格が不明確で、顧客が注文時に戸惑うケースが目立ったという。トステムはINAXとの今年10月の経営統合を決めており、幅広い商品を提供できる強みを生かしリフォーム需要を開拓する。




いわせてんか! 住宅リフォームで顧客と業者がもめるケースが後を絶たないが、価格を明示することによって販売に関してはある程度解消すると思われる。しかし、リフォーム事業の一番の問題点は営業(訪問販売)にある。ノルマ等がキツイことや、歩合制で離職率が高すぎるため、建築等の知識に乏しい営業マンが自分のノルマや成績のためにひたすら飛び込み営業をする。彼らはあくまで"飛び込み営業のプロ"であり、建築・設計等のプロではない。自己責任の時代ではあるが、社員の教育を充実させ、安くより良いサービスを提供することを考える必要がある。





単なるリンク集から"サイトガイド"へ

いわせてんか!
 
 4/16更新の当HPリンク集の中に、「All About Japan」を追加している。細目として「不動産(投資)」「相続」および「競売」を挙げているが、これは専門家201名がガイドする、テーマ別情報サイトである。"サイトガイド"と呼ばれるこれらのサイトは、Yahoo!等検索エンジンと対比すれば、後者が「電話帳」だとすると後者は「ガイドブック」に相当する。(野口悠紀雄On Line参照)
 これだけサイトの数が多くなると、単にキーワードを打ち込んで検索エンジンを動かすだけでは、目的のサイトを探し出せない場合が多い。また、専門家のサイトでリンク集をみても、煩瑣に更新しているものは少なく、今ひとつである。それなら、その道のプロが選択したサイトを紹介する専門サイトを作ればいいわけで、これがサイトガイドなのである。
 上記サイトは、米国の人気サイト"About.com"の日本版である。サイトの厳選と、選択サイト内での評価(星いくつ、等)および選択した専門家の短い解説文がついており、サイト検索・問題解決の強力な指針となる。優秀な検索エンジン(最近では例えばGoogle等)とタッグで利用すれば、有能な秘書並みの能力を発揮することだろう。
 当社のリンク集も「サイトガイド」と称されるよう努力したい。







「虫食い土地」売買仲介 〜国土交通省、今秋からデータ整理〜
(読売 H13.4.18)

 国土交通省は17日、虫食い状態になった土地や立地条件の優れない工場跡地など、低・未利用地に関する情報を調査・収集して、インターネット上に開示し、買い手が名乗り出るまでの橋渡しを務める「低・未利用地バンク事業」を今秋から実施する方針を明らかにした。
低・未利用地の存在は土地取引を停滞させるなど、景気低迷の一因となっているため、バンク事業によって、国が主導して土地流動化を後押しする。
 計画によると、国土交通省が三大都市圏を中心に未利用地などの実態調査を進めて、バンクに土地のデータを収集する。同時に、自治体や不動産業界などからも登録する土地を募る。
 具体的には、現在、放置されていたり、駐車場など限定的な利用にとどまっていたりする土地のほか、企業がリストラの一環として今後売却を予定している工場や社宅跡地なども対象に加える。その上で、土地の鑑定価格や権利価格などの詳細なデータをネットで紹介して検索できるようにする。
 土地の買い手が見つかれば、国土交通省が仲介して売り手と交渉の場を設けることにしている。
同省によると、これまで都市部を中心に各地に散在する低・未利用地を、幅広く集めたデータはなかったという。また、こうした土地は権利関係が複雑に絡んでいることが多く、簡単には買い手がつかない事情も背景にうかがえる。
 同省は、バンクでは土地データの紹介にとどまらず、自治体などと連携して近隣の土地を集約して土地の形を整えたり、区画整理事業を利用したりするなど、売買成立が実現しやすいように工夫したい考えだ。




いわせてんか!  先週当欄で「緊急経済対策で工場跡地買い上げ拡充」のトピックをお伝えしたが、今週は、国土交通省が「虫食い土地」の仲介事業を始めるというトピックである。
 街中を歩いていると、時間貸駐車場等に利用されている虫食い状の土地はよく見かけるが、このような土地は関係当事者それぞれの思惑が絡み合い、いわば「塩漬け」になっていることが多い。同省の今回の方針では、これらの土地のデータをネットで公開し、土地の流動化を促そうとするものであるが、不動産鑑定士、司法書士等の専門家の意見も十分に採り入れて、よりよいシステムを構築してほしい。


 



 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

           
 
  ―平成13年4月18日号・完―  
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