週刊アクセス
 
 
平成16年12月1日 第238号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
USJ近接地にマンション──大阪市の臨海地域、再開発加速か
神戸ハーバーランドが生まれ変われる!?
    〜 プロメナ神戸&ビーズ・キス 〜
「韓流」と「外資」が変え始めたサービス―ゴルフ場にいらっしゃい
 
     
USJ近接地にマンション──大阪市の臨海地域、再開発加速か
  (日経ネット関西版 H16.11.20)  
   ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)近接地に分譲マンションが建設される。このほど、大阪市の此花西部臨海地区の土地区画整理事業(此花区、156.2ヘクタール)の保留地の一部を民間事業者2社が取得した。東京に比べマンション開発が遅れていた大阪市の臨海地域でも、マンションを核にした再開発が進む可能性が出てきた。
 用地を取得したのは、リバー産業(大阪府岸和田市、河啓一社長)と創建(大阪市、吉村孝文社長)の2社。JRユニバーサルシティ駅を挟んで北側の約9705平方メートルをリバー産業、南側の約3535平方メートルを創建が取得した。取得価格はともに3.3平方メートル当たり80万円程度とみられる。
 リバー産業は地上20階建てのマンションを建設する。総戸数は446戸で完成は2006年9月の予定。最多価格帯の販売価格は3LDK(約72平方メートル)で2000万円の見込み。創建は事業計画の詳細を今後詰める。
 同地域は02年12月の地区計画の変更で居住目的の施設の建築も可能になったが、不動産不況の影響などで売却が進んでいなかった。学校など生活インフラは整備されていないものの、大阪市中心部への交通アクセスが便利。近畿圏でもマンションの都心回帰傾向は鮮明になっており、先行する2社の販売状況次第では、マンションを中心とした再開発が加速する可能性がある。

いわせてんか! 此花西部臨海事業はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の誘致や道路・公園などの整備を狙って1995年に始められた。事業費は969億円で、約750億円を保留地の売却により賄う計画であったが、思うように売却がすすまず、大阪市にとって、その事業費が重荷になっていた。(現時点では、大阪湾ベイエリア開発推進機構によると処分予定地(26.1ヘクタール)のうち、処分済が22.2ヘクタール(ただし、21.3ヘクタールはUSJへの借地)となっている)
 市は、当初、USJと連動した複合開発を期待してコンペ方式による一括売却を目指していたが、具体的に進出意欲を示す企業が見つからず、同方式を断念し、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の玄関口に位置するJRゆめ咲線ユニバーサルシティ駅の周辺2.3ヘクタールを一般競争入札で分割売却する方針に変更した。3区画で、昨年の秋頃に公募が開始され、現時点では、そのうち2区画が、記事で紹介されているマンション開発を目的とする事業者に売却された。
 売却に至らず、現在も随時募集されている区画は、大阪都市計画此花西部臨海地区・地区計画の土地利用の基本方針上、住宅を核とした開発は避けること、とされている。画地規模は、約9680平方メートルと既に売却された2区画とほぼ同様であり、この制約が、売却に進まないことに影響していると思われる。
 当初のUSJと連動した複合開発という段階から制約を緩め、分割売却による売却促進を図ったが、事業者の負担を軽くする区画の分割によっても、住宅を軸に置けない区画は未だに買受人の募集中であり、USJの周辺開発という面での評価は変わらなかったようだ。

 
 
神戸ハーバーランドが生まれ変われる!?
        〜 プロメナ神戸&ビーズ・キス 〜
  (神戸新聞 2004/11/19)  
   神戸・ハーバーランドの玄関口に立つ商業ビル「プロメナ神戸」(旧オーガスタプラザ)が19日、全館オープンした。高島屋などの撤退後、米国証券大手のモルガン・スタンレー・グループがビルを買収して二年半が経過。一部のフロア以外は閉まったままだっただけに、周辺店舗は「やっと新顔が登場した」と歓迎している。
 午前11時に開店。地下1階から8階に衣料品店やCDショップ、書店など55テナントが入り、雑貨店では早速、品定めする女性たちでにぎわった。近くに住む30代の女性は「これでハーバーランドが少しでもにぎわえば」と話していた。
 旧施設のオーガスタプラザは大阪ガス、高島屋などの出資で1992年に開業したが、経営不振のため、02年六月に売却。モルガングループは日本での大型商業施設第一号として04年春に開店する予定だったが、テナント誘致に苦戦していた。

いわせてんか! このプロメナ神戸の道路を挟んで西側には、西武百貨店撤退後の95年に、パソナ創業者の南部靖之氏の主導でオープンした商業施設「神戸ハーバーサーカス」がある。
 ここもハーバーランド全体の不振が響いて、経営が低迷していたため、04年8月に商業施設運営会社のジオ・アカマツが建物所有者の住友生命保険から受託することに決まっており、「Bee'kiss(ビーズ・キス)」と改称した上で、2004年12月3日に改装オープンすることになっている。
 このビーズ・キスの地下1Fには「神戸スイーツハーバー」(売場面積約2,847m2)というスイーツのテーマパークがある。北は北海道から南は九州まで、全国各地の絶品スイーツを一堂に集結し、神戸に居ながらにして各地の味を体験できるというだけではなく、新店舗の紹介やスイーツイベントの開催などもあるという。
 また4、5Fには「スポーツ&コミュニティ」をテーマにボーリング、卓球、ビリヤード、スリーオンスリー、釣り堀、フットサル、カラオケなどが時間制で楽しめるという大型アミューズメント「U-PARA(ユーパラ)」もあり、初回の会員登録料315円を支払えば、あとは施設内のどのアミューズメント機器を使用しても10分で70円(税込)で24時間、世代を問わず遊べる施設もある。

 この2つの商業ビル「プロメナ神戸」「Bee'kiss(ビーズ・キス)」はともに、ハーバーランドの玄関口ともいうべき、国道2号線、JR神戸駅からすぐのところに位置する。
 近年、「オーガスタプラザ」「神戸ハーバーサーカス」だけでなく、ハーバーランド全体の経営が低迷していたが、今後この「プロメナ神戸」「ビーズ・キス」が常に進化し続ける最新の“神戸のスイーツ&ファッション”を発信し、“港町・神戸”における新たな流行発信地としてハーバーランドの顔として、「ハーバーランド」の「そして神戸」の活性化に寄与してもらいたいものである。
 もうすぐクリスマス。全国から「ルミナリエ」を見に神戸にやってくる人は多い。
 少し足を伸ばして、生まれ変わったハーバーランドへ行ってみてはどうですか。

 
 
「韓流」と「外資」が変え始めたサービス―ゴルフ場にいらっしゃい
  (朝日新聞“be Report” 2004.11.27)  
   『本州北端の青森。もうひとつの「韓流」ブームがここで起きている。ソウルから空路で2時間半。この地のゴルフ場に、韓国人が押し寄せているのだ。…人気ツアーの料金は、日本円にして10万円以上。それでも、韓国から地元ゴルフ場への送客は、今年の7〜8月の2ヶ月だけで、延べ千人を突破。昨年比30%を超える伸びだ。』

 『ゴルフ場の買収でも、韓国勢の存在感が増している。…保有コースは「内定分も含め10以上。国内十指と肩を並べる勢力になりつつある」(ゴルフ業界専門誌を発行する一季出版)。』

 『グリーンやフェアウエーから土壌を定期的に採取し、外部の研究所で検査を受ける…ゴールドマン・サックスが…設立したゴルフ場運営子会社、アコーディア・ゴルフ傘下の74全コースで、たびたび見られる光景だ。…芝の長さも、ラフに至るまで、ミリ単位で決められている。』

 『ローンスター系のパシフィックゴルフマネージメントは…親会社の豊富な資金力と買収にあたっての会員からの預託金の95〜97%カットを受けた「身軽さ」も強み。資機材の一括購入など規模のメリットを生かした経営が軌道に乗り始めた。昨年からは億円単位のコース改修を進め、茨城県や兵庫県などで新規の会員を募集。…新会員には破格のプレー代を打ち出すなどで、以前からの会員の反発もくすぶる。…外資のこうした動きは日本のゴルフ場を徐々に変え始めている。』

いわせてんか! “4さま”を例に挙げるまでもなく、日々のニュースを賑わしている「韓流」はこんなところにもあった。
 ジリ貧の日本ゴルフ場は、価格・サービス競争でにっちもさっちもいかない。ここへ元気な韓国マネーが流入した。プレーヤーも経営者も、需要を伴っている分、勢いがある。アメリカを買いあさった“あの時”の日本とどこか似ているようだ。
 外資も、初期投資額の少なさとスケールメリットで、サービス・価格両面で競争力が増大している。ゴルフ自体は、本来楽しいスポーツだ。“気楽にいける”なら、ずいぶん潜在需要はあると思う。少し明るい材料が見え始めている日本経済である。外資の経営するゴルフ場は、“やりたかった”“ほとぼりが冷めた”ニッポン人には魅力的だろう。
 狭い国土に2400もあるゴルフ場。“バブルの付け”を払い終わったときは、気軽なレジャーとして、みなが楽しめるようになるのかもしれない。

 
 
 
 
 
 
 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

  ―平成16年12月1日号・完―  
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