週刊アクセス
 
 
平成17年11月2日 第286号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
梅田北ヤード開発、始動
iPodの独走―技術の進歩と“少年の好奇心”
 
     
梅田北ヤード開発、始動
  (日経ネット関西版 H17.10.29)  
   「大阪都心に残された最後の一等地」といわれるJR大阪駅北側の梅田貨物駅(梅田北ヤード、24ヘクタール)の開発がスタートした。都市再生機構と大阪市は29日、先行開発区域の土地区画整理事業の着工記念式を開いた。ロボットなどの研究開発施設や企業の先進的なショールームなどが集積する「ナレッジ・キャピタルゾーン」などを整備し、2011年春の街開きを目指す。
 式には北側一雄国土交通相や都市機構の小野邦久理事長、大阪市の井越将之助役、大阪府の太田房江知事、関西経済連合会の秋山喜久会長らが出席。北側国交相は「風格ある国際的な中枢都市機能の集積地が形成されると期待している」とあいさつした。
 土地区画整理事業は都市機構が主体となり、先行開発区域とその周辺計8.6ヘクタールを対象に実施する。北ヤード地区を南北に貫く幅40メートルの道路の一部や大阪駅北口の駅前広場などを造成する。
 先行開発区域では土地区画整理と並行して知的創造拠点のナレッジゾーンの整備を進める計画で、12月にも開発事業者の募集を始める。ナレッジゾーン周辺には商業やオフィス施設、住宅を建設する。

いわせてんか! 当初、24ヘクタール全体での開発を図るため開発事業者による「一括取得」をすすめていたが、参入の意向を示す開発事業者が出てこなかった。そこで、開発計画を数段階に分けることで、各々の事業規模を縮小することとなり、それにより徐々に参入の意向を示す開発事業者が出てきた。
 現在もその方向ですすめられているが、計画の質を維持するため、街区に応じて0.3〜1ヘクタールの最低敷地面積を設けるなどの規制が設けられた。また、質の高い魅力的な事業者を集積させるべく中核となる入居者を先行して募集し、審査委員会がその入居希望者を格付けし、入居計画を開発事業者の選定の評価基準の1つとすることで質の高い開発を促すようになりつつある。
 緩慢に推移しているように感じられた北ヤードの開発計画が徐々に上向いてきたようだ。このような推移を見ると、一般的な景気の回復傾向や、大阪駅の改築、商業施設の新設・増床などに伴う梅田一帯に対する期待感の高まりなどが反映されているように見受けられる。
 京阪神で最も人が集まる特性をどの程度生かせるか、当初は疑問に思うところが大きかったが、開発計画の質を高めていく傾向が見られること、参加意欲を示す事業者が多くなってきている状況をみると、充実した内容の開発がすすめられるようになりつつあるように感じられる。

 
 
 
 
iPodの独走―技術の進歩と“少年の好奇心”
  (山根一眞のIT書斎術百科
『3万円の再生機が 注目される意味』2005年10月15日)
 
   『デジタルオーディオプレーヤー「iPod」で独走するアップルの勢いが止まらない。カラー液晶付きで小型薄型を実現した「iPod nano」が発売されて間がないというのに、今度はビデオも視聴できる新型(第5世代)「iPod」の発表が追い打ちをかけた。』

 『たかが3万円前後の製品の登場が世界的なニュースになることの意味を日本メーカーは真摯に考えてほしい。「iPod」の成功は、デザインや操作性、ソフトウェアの使いやすさが抜群であることに加え、製品自体がネット接続を前提にした構想力を持って設計されていることでもたらされた。それは、アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)がどこまでもユーザーの延長線上にいて、少年の好奇心で自分がほしいものを次々に製品化してきたからだと思う。』

いわせてんか! Nanoで驚き、矢継ぎ早にビデオだ。
 Shuffleを購入した話を以前書いたが、次々と欲しくなる電化製品というのも、久々のような気がする。山根さんの記事はいつも楽しく読んでいる。今のちょっと面白い電化製品を“さくっ”と紹介してくれるからだ。ネットやサイトの最新情報も欠かせない。
 ITについて色々書いてきたが、パソコンやネット環境については特に、ここ数年の進歩は目覚しい。iPodでいえば、ハードディスクの小型化とブロードバンドでの音楽配信の簡易化、優秀な統合ソフト(iTune)とメディア複合(Podcast)が相俟って、そこに技術者の夢が重なり、さらに、おしゃれなデザインで“独走”を勝ち取ったのだろう。(関係ないが、ソニーファンの私としては、是非がんばってもらいたいと思っている)
 不動産評価の分野も例外ではない。GISを基幹とした地図と評価情報の集約がハード・ソフト両面で劇的に進化している。高性能・安価をベースとして、地価下げ止まり、経済安定、REITなど不動産の資本市場進出の下、不動産取引(売買・賃貸)の活性化から、不動産価値評価に関する情報提供ツール・業者が増加している。これらは、ユーザーたる消費者や企業、投資家のニーズを的確に捉え、ネットでの双方向性と即時性を武器に、着実にサービスを拡大しつつある。
 iPod同様、技術の進歩と少年の好奇心が、夢のサービスを創造するだろう。『こんなことができたらいいのに…』をITが後押しする。わが社も、そんなサービスを提供できればと思っている。

 
 
 
 
 
 
 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

  ―平成17年11月2日号・完―  
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と、その中味。
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