週刊アクセス
 
 
平成18年6月28日 第320号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
3日でわかるビジネスGIS特訓ドリル!?
 
     
3日でわかるビジネスGIS特訓ドリル!?
  (平下治、商業界、H18.1.10)  
   『…GIS(Geographic Information System)は日本語で「地理情報システム」といい、コンピュータに地図を入れておいて、その上にいろいろな情報を重ねて表示できるシステムのことです。
 もし、皆さんが日々商売をされている店の周辺の様々な知りたい情報が地図上に表示されたら、便利だと思いませんか?
 例えば、自分の店から歩いて10分以内に何世帯、何人の人が住んでいて、年齢別や性別、あるいは収入別に何人の人がいるとか、何分圏には大きな大学があって昼間は何人の人が店の周辺にいるとか。…いろいろな情報が地図で見られたら商売の仕方も変わってくるのではないでしょうか? こんなことが簡単にできるのが、GISです。』(p2-3)

いわせてんか! 三日でわかれば苦労はないよ!といいつつ、ついつい買ってしまう。
 結果、三日で読みきって、非常に面白かった(わかるまではいかないが)。地図は鑑定士と切っても切れない縁。不動産の価格も、固有の立地をどのように分析するかにかかっている。ここでいう“商売”の問題は、直接不動産の価格を作る要因である。
 本では、以下のようなビジネスにGISが使えるという。例えば「小売業」であれば、

 ・商圏分析、日々変化する既存店の商圏を常に把握
 ・来店調査、実勢商圏の把握
 ・新聞折込チラシ配布計画および効果分析
 ・出展予定地の商圏把握(商圏規模・商圏特性・競合店把握)
 ・ストアコンパリゾン(店舗比較、競合店比較)

といった分野が列記されている(p78-79)。商業地の鑑定評価の要因と重なることが一目瞭然だ。
 GISの便利さは、例えばクロス集計の結果を地図上で見られること。ディーラーが新型ミニバンの販促で折込の地域を効率よく選択するため、メインターゲットである「35〜44歳男性」が多く住むエリアと「新聞販売店の折込エリア」を重ねるといったよう。これによる効果(例えばプレゼント引換券の持参)を測れば、実証も可能だ。
 不動産価格は様々な要因からなる。これを分解して、影響の強い要因で説明する。似通った事例価格は当然望ましいが、その背後にあるエリア要因の数値・ビジュアルでの裏打ちは、価格の説得力を増すことになろう。

 
 
 
 
 
 
 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

  ―平成18年6月28日号・完―  
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