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	平成１８年１０月１１日　第３３５号

	*今週のヘッドライン*
	「借家制度等に関する論点」に対する意見の概要

	「借家制度等に関する論点」に対する意見の概要
	（借地借家等に関する研究会、NBL・№634～636・H10.2.1～3.1号）
	法務省民事局内に設置された「借地借家等に関する研究会」は、借地借家等に関して、平成9年6月、「借家制度等に関する論点」を公表し、関係各界に対し意見照会を行ったが、これに対しては、11月15日までに、意見照会先でない団体も含め合計113の団体から意見が寄せられた。本資料は、寄せられた意見の概要を取りまとめたものである。（№634、p57）第2 意見の概要　2　一般的定期借家について　(2)内容及び適用範囲について〔主な総論的意見〕　一般的定期借家という制度が、借家の用途、契約内容及び規模を考慮せずに、およそあらゆる形態の借家関係につき定期借家権の設定を可能とする趣旨のものであれば賛成しがたい。零細借家人・低所得者層を対象とする借家については、借家人の居住利益の中には、当該地域において生活を営むことの有形・無形の利益（福祉、教育、人的結びつき、コミュニティの維持）が含まれていて、現在居住している借家を退去する場合には、同質の居住利益を維持するために借家人には経済的にも精神的にも相当の負担を強いられることになるので、反対である。…（大阪大学法学部（教官有志））（№634、p67）　定期借家が法制化されるH12の5年前から、法務省は有識者の研究会を立ち上げていた。H9.6に記事の「論点」を公表してパブコメを募った回答のひとつが上。　「論点」は経済学を中心に攻撃を受けている。その矢面は「正当事由存続」である。契約期間の無期限化を実質的につかさどる同制度は、よくも悪しくも争点となってきた。対立軸は「多様な借家の供給拡大」を目指す経済学者と、これによる「社会的弱者の迫害」を擁護しようとする法学者である。前者は、真の弱者を限定し、これは公的扶助（公営住宅や家賃補助など）で賄って借地借家法に拠らせないとし、後者は、正当事由の運用で利害調整を図りうるとして同制度の存続・拡充を謳う。　定期借家導入より6年。あまり供給は増えていない。定期への転換を阻む「正当事由」が今もなお健在だからだろう。市場の認識も、あまり変わっていない。　“大岡裁判”や暴れん坊将軍の“成敗！”は日本人の好むところである。しかし、それは忠助や吉宗の善悪判断の“無謬性”を前提とする。さらに、お白洲にかからなければ、結論は出ない。そろそろ、お上におうかがいをたてるのはやめにして、国民の自治を強化すればどうか？　高度成長期やバブル崩壊期といった、一方的な経済情勢ではないこの時期は、ルール変更の好機かもしれないと思うが、如何？




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	―平成１８年１０月１１日号・完―
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