週刊アクセス
 
 
平成18年12月6日 第343号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
住宅の買い替え利益・売却損、課税優遇措置延長へ
ナマの街をライブで観察−○○経済新聞というネット情報
 
     
住宅の買い替え利益・売却損、課税優遇措置延長へ
  (asahi.com H18.12.5)  
   政府・与党は4日、住宅売却で利益が出たり、損失が出て住宅ローンだけが残ったりした場合の税金の支払いを優遇する措置を3年間延長する方針を固めた。07年度税制改正では、企業減税が目立つことから、住宅取得の優遇措置を延長することで消費者の不満を和らげる狙いがあるとみられる。
 住宅取得から10年を超えた住宅を売却し、新住居に買い替えた場合、譲渡益が出ても、新住居を売却するまでは譲渡益に課税しない「買い替え譲渡益特例」が93年から続いている。例えば、1億円で取得して13年たった住宅を1億5000万円で売却し、売却資金で新住居を買うと、売却益の5000万円は新住居売却まで課税されない。この特例は今年12月末で期限切れを迎えるが、これを09年末まで延長する方針だ。
 一方、取得後5年を超えて住んでいた住居を売却し、損失が出て住宅ローンが残った場合、住宅ローン残高と売却額の差額を上限に、損失をその年と翌年以後3年間、課税所得から差し引ける特例も、04年からある。これも今年末が期限だったが、延長する方針だ。例えば、3000万円の住宅をローンで購入したが、1000万円でしか売れず、住宅ローンの残高がまだ2000万円ある場合は、ローン残高と売却額の差額である1000万円の損失を繰り越せる仕組みだ。

いわせてんか! 社団法人 不動産流通経営協会による第11回 不動産流通業に関する消費者動向調査(平成18年9月)によると、住み替えに当たって従前住宅を売却した世帯のうち売却損が発生した世帯は8割を超えているとされている。
 平成16年度の税制改正では、担保割れの実情等を踏まえた「買換えを要件としない」譲渡損失の繰越控除制度の創設という改善が見られたが、適用期限については3年間の延長に留まった。今回の適用期限の延長も同様の方針とされている。地価の動向等を含む一般的な経済情勢の影響を(住宅の取得時期が地価の動向等を含む一般的な経済情勢とは異なる次元の事柄も判断材料として大きく作用するということを踏まえると)個人に全て負わせるのは酷であり、恒久的な制度とされていいのではないかと思う。

 
 
 
 
ナマの街をライブで観察−○○経済新聞というネット情報
  (asahi.com 2006.11.17)  
  『東京・渋谷、名古屋・栄、福岡・天神…。全国各地の繁華街の動きをニュースにまとめ、「○○経済新聞」と銘打ってネット配信する試みが拡大中だ。いずれも小さな編集部ながら、地域の細かな話題も拾い上げるのが身上だ。サイト上で集結することで、各地の流行をリードする「旬の街」の動きが一覧できる仕掛けとなった。
 …「工事中」の囲いがある土地を見つけると、施工主が記された看板を撮影する。ネット上で「シブヤ経済新聞(シブ経)」を運営する西樹(たてき)編集長(46)は街を歩く時、デジカメが手放せない。
 …重視するのは、店や企業の動向だ。9月中旬に掲載した「青山で屋台風の飲食店が閉店。希望者には屋台を譲渡する」という記事は、読者の通報がきっかけだった。「閉店情報はあまり発表されず、手がけるメディアもない。6年間やってきて、独自の情報網ができてきた」という。』

シブヤ経済新聞(シブ経)

いわせてんか! われわれも、鑑定をよく行う、よく知る地域では、その変化を身をもって感じていく。「地域をよく知る」鑑定士は、その不動産の生い立ちと適正な価値をうまく結びつけることができるものだ。
 記事の「シブヤ経済新聞」。ブログ巡回や足で稼いだナマ情報をライブで記事化する。何をか引っ張るためのサイトではなく、あくまで地域の利用者のための情報発信に特化しているため、底堅い訪問者を得ている。制作側も、ネットならではの手管で、即時・ナマ・レアな情報提示に工夫を凝らす。
 不動産を買う人・借りる人は、住宅・店舗を問わず、当然、その街の将来を値踏みしている。これまでの歴史を踏まえつつ、ミライの栄枯盛衰の判断を、極限まで“現在”に近づけること。これが適正な価値を読む秘訣だろう。

 
 
 
 
 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

  ―平成18年12月6日号・完―  
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