週刊アクセス
 
 
平成19年2月7日 第352号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
景観保護で条例改正、高さ規制も強化
高さ超過マンション建て替えに助成…京都市の景観政策
サザエさんとちびまる子ちゃんはなぜ長寿番組なのか?
 
     
景観保護で条例改正、高さ規制も強化
  (YOMIURI ONLINE H18.11.25)  
  「古都の眺望」を保護しようと、京都市は24日、建物の高さ規制を強化する案を明らかにした。市街化区域の3割程度で、地区によって建物の高さ制限を2〜16メートル引き下げ、上限を31〜8メートルに抑制する。清水寺など世界遺産周辺の半径500メートルで、高さ制限に加え、外壁の色や屋根の形を京都らしいデザインに制限する規制区域を新たに設ける。

高さ超過マンション建て替えに助成…京都市の景観政策

(YOMIURI ONLINE H19.1.31)        
 支援策では、マンション建て替えや大規模修繕の際に弁護士や建築士の助言を受けられるようにし、住民の話し合いがスムーズに進められるようにする。また1戸あたり700万円を限度に建て替え費用を融資。廊下など共有部分の工事費を助成する制度も設ける。
 市は新年度中に、建物の上限を現在の15階建て相当の45メートルから、10階建て相当の31メートルまで抑制する。新しい規制を超える建物は約1800棟あるとみられ、建て替え時には高さを低くしなければならない。

いわせてんか! 法令の度重なる改正を背景とする、マンションについての既存不適格問題は、建替え期に至ったマンションが増えるなか、顕在化の度合を強めてきた。
 京都市が取り組もうとしているのは、高さ制限の見直しで、これに対する反発が強く、検討された対応策が低利融資等々である。一般にマンションの建替えに見られる保留床を含む計画が困難となる場合も想起されるから、低利融資といった対応もそれなりの有用性を見出せないこともない。
 だが、実際上は建替えへの合意形成そのものが困難で建替え期に至ってもそれが進まず老朽化が深刻化する場合などが懸念されるが、そういった問題には対応できていないようだ。居住者には何ら過失もないにもかかわらず。
 同趣旨で住環境・景観の確保のため容積率の切り下げ・高さ制限の強化を行うことにより生じた既存不適格マンションに対し、従前所有者が建替え後も住み続ける分までの規模を認めるといった対応を取っている自治体もある。
 このような措置では住環境・景観の改善の実現のためには長い期間を要すると考えられるため、その実現性の担保の程度が問題ではある。が、居住の安定性の確保との調整を考えれば、住環境や景観をある時点をもって一新するようなことができるわけもなく、このような、長期的な視点にたち、行政側・住民側の双方の課題を果たそうとする措置が考えられたのであろう。京都市においても、区分所有者の居住の安定性を確保する措置が必要だろうと思う。
 
 
 
 
サザエさんとちびまる子ちゃんはなぜ長寿番組なのか?
   
 
いわせてんか! 雑感である。
 私事だが、ウチの家庭では日曜日の夕方6時から7時は「ちびまる子ちゃん」「サザエさん」である。子供(8歳と6歳の女子)も楽しみにしている。サザエさんとの“じゃんけん”まで定例行事だ。
 2つの番組は長寿番組だ。よく見ると、家庭と時代背景がやや似ている。いずれも住宅地の一軒家で、親子3代で同居している。この一軒屋も高度成長期の庭のある(今と比べたら)比較的広めのものだ。ちびまる子ちゃんのほうは、流行っているものなどは原作と同様、時代を固定している。酒屋の御用聞き、向う三軒両隣の近所付き合い…。イクラちゃんもまるちゃんも一向に年をとらない。いわば、日本のある一点の時代をずーっと放送し続けているのだ。(サザエさんの“今風な”コマーシャルに違和感を覚えるのは、私だけではないだろう)
 なぜ?…と素直に疑問が沸いた。現在とは全く違う、その時代と生活を、なぜこんなにまで愛しているのか、と。懐かしいのか、ほっとするのか、とにかく、今の生活様式とは全然違うのである。
 ひとつ思うことは、「ばかもーん!」とカツオを怒る波平や、学校から返ってくればいつも割烹着で台所に舟がいる…という風景に帰ることは難しいだろうということである。そろそろ、“今の”サザエさん・まるちゃんを描く必要があるのではなかろうか?
 
 
 
 
 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

  ―平成19年2月7日号・完―  
 戻る  
     
 
アクセス鑑定『今日のおやつ
頂き物。春の千鳥屋
頂き物。春の千鳥屋