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平成19年6月20日 第371号 |
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今週のヘッドライン | ||
証券化鑑定・実務者研修終わる―H19.7.1から改定鑑定基準施行 |
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証券化鑑定・実務者研修終わる―H19.7.1から改定鑑定基準施行 | ||
この週末の6/15〜17、東京の六本木ヒルズにおいて、証券化不動産の鑑定評価基準改正伴う実務者用の研修が開催された。この7月1日から施行される改正鑑定基準に合わせてのプログラムだ。今回は、基準及び留意事項の説明ではなく、証券化に関する必須の周辺知識を深めるもので、ARESの証券化マスターの簡易版、特に評価に関わる専門事項の確認といったところである。全国から約600人弱の鑑定士が集まった。 内容は、証券化協会、デベロッパーのデューディリジェンス担当者、エンジニアリングレポート作成会社、信託銀行など、主に、証券化鑑定に欠かせない他専門家作成分野の知識を垣間見るものだった。前2回の基準改正解説を踏まえると、今回改正の意味は「鑑定士の責任がどこまで及ぶのかをはっきりさせる」ことだ。日経H19.6.14の一面トップに出たように、国土交通省の「不当な鑑定評価等に係る処分の考え方」(H17.7.4)を具体的に実践で発動できるよう、鑑定書作成における必須確認事項と必要記載事項を基準に明記し、未記載及び説明不十分項目を処分対象とする。不十分か否かは、来週にも開かれる“有識者を含む鑑定書モニタリング委員会”という、鑑定協会と国土交通省から独立性を保った第三者機関が、抜き打ち検査をしながら、落としどころを探していくそうだ。 会計士協会などは、事件が複数起こって以来、金融庁の監督が厳しくなり、監査業務の半分以上、“キチンとやっている”証拠立て資料付けやそのチェックに費やしているという。まあ、本来の役割を果たすためには、当然といえば当然である。 専門家責任は、今すぐどうこうという問題ではない。また、頻繁に問われるといったものでもない。しかし、一旦起これば、資格全体としての信頼失墜と、責任を訴訟等で明確にされた個人専門家の職業生命は、ほぼ絶たれてしまう。 このような流れを消極的に捉えるのではなく、積極的に信頼向上に生かしたい。これからの不動産鑑定士の働きに、是非注目していただきたいと思う。 |
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※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。 | ||
―平成19年6月20日号・完― | ||
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梅雨の晴れ間でございました。
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