週刊アクセス
 
 
平成19年12月19日 第397号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
海外不動産のJ-REITへの取り込みが鑑定基準遵守を厳格化
−国交省、鑑定協会が基準、モニタリング、処分案を公表
 
     
海外不動産のJ-REITへの取り込みが鑑定基準遵守を厳格化
   −国交省、鑑定協会が基準、モニタリング、処分案を公表
  (国土交通省 土地・水資源局 地価調査課、日本不動産鑑定協会HP)  
   両者は、主に海外投資不動産(J-REIT等、証券化不動産に関する不動産鑑定評価基準の改正に伴う。)に関連して、以下の案を公表した。

 国土交通省(H19.12.15) : 
  「海外投資不動産鑑定評価ガイドライン(案)」に関する意見の募集について

    国土交通省では、海外不動産への投資を行う際に不動産鑑定士が鑑定評価を行う場合について、投資家保護及び鑑定評価の信頼性の向上の観点から適正な鑑定評価が行われるよう、別紙の案のとおり、海外投資不動産鑑定評価ガイドラインを検討しています。つきましては、広く国民の皆様から、この案に対する御意見を以下の要領で募集いたします。

日本不動産鑑定協会(H19.12.17) : 

「国土交通省の実施する鑑定評価のモニタリングに関する基本方針(案)」

    国土交通省の不動産鑑定評価部会(平成19年12月14日開催)において、「国土交通省の実施する鑑定評価のモニタリングに関する基本方針(案)」が上程され了承されました。本会では当該基本方針(案)を入手いたしましたので、本日、会員各位に対し情報提供いたします。
  なお、当該基本方針(案)の検討に際し、改正鑑定評価基準の適用状況に関する調査及び証券化対象不動産の鑑定評価に関する鑑定業者からのヒアリングが行われており、今回、それら調査結果等の資料も一緒に入手いたしましたので、こちらも併せて情報提供いたします。

「不当な不動産の鑑定評価に係る処分基準(素案)」について

    国土交通省の不動産鑑定評価部会(平成19年12月14日開催)において、「不当な不動産の鑑定評価に係る処分基準(素案)」が報告されました。本会では、当該処分基準(素案)を入手いたしましたので、本日、会員各位に対し情報提供いたします。
  なお、当該処分基準につきましては、年末年始にかけて国土交通省において見直しが行われ、その後1月中下旬頃に行政手続法に基づく意見公募手続(パブリックコメント)が行われる予定となっております。

(以上は、会員(鑑定士)限定


いわせてんか! 既報の証券化対象不動産に関する鑑定評価のモニタリングと処分、及び金融庁からの喫緊の課題であった「海外投資不動産」の鑑定評価ガイドライン(いずれも「案」。)が、相次いで公表された。
 一読した印象は、新鑑定基準(各論第3章)に沿って、非常に限定的な手続き遵守になったということか。また、海外不動産は、現地鑑定士との連携を基礎として、この“検証”をおこなう場合の留意点に終始していると考えられる。
 これに呼応して、出される鑑定書のモニタリング(チェック)と、『不当な鑑定評価』を判断する基準及び量刑も合わせて出されている。H17に先行して国交省から出された「「不当な鑑定評価等に係る処分の考え方」について(H17.7.4)」と比較すると、基準を守ることだけを形式的に記載するにとどまっており、判断基準というには大雑把で、運用側に裁量の余地を大きく残した規定といえよう。
 証券化に押されて、鑑定評価の基準とチェックの体制が概ね出来上がった。後は、運用と改正であるが、実効性を伴ったものにする必要があるし、内部の人間としては、大いに議論をしていく余地があろう。

 
 
 
 
 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

  ―平成19年12月19日号・完―  
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