週刊アクセス
 
 
平成20年7月2日 第425号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
顧客満足のイミ−「ナショナルのお店」が見直される理由
 
     
顧客満足のイミ−「ナショナルのお店」が見直される理由
   
 

いわせてんか! 昨日あるセミナーで、前松下電器CFO、現松下経理大学学長の川上徹也氏のご講演を拝聴した。そのなかで印象に残ったのが、表題の件である。
 氏がCFOに就任したのは、ITバブル崩壊直前の平成12年前半。なった直後に崩壊で惨憺たるものだったと。建て直しの一環として、当時27,000あったショップを8,000まで削減し、販路の整理を行った。「人」や「販売店」と共存してきたマツシタの大きな転換点だったという。
 ところが氏は最近、再びショップに眼を向けているという。団塊退職の高齢化社会とIT家電の急速な発展は、顧客となる層の変化とその顧客への接し方に、大幅な意識転換を必要とするというのだ。つまり、新しいパソコンや双方向地デジTVなどは、使い方がわかりづらいし、故障するとどうにもならない。クルマでどんどん外出する団塊ジュニアの世代は、それでも量販店で安いものを買い、自分で修理に持っていくのだろうが、団塊世代以上はそうもいかない。これから、どんどんそうなるのだ。
 昔の「ナショナルのお店」は、電球一個、スイッチ一つから直しにきてくれた。地域に密着した「ごひいき」だからこそのサービスである。いわば家電の“かかりつけ医”なのだ。「おじいちゃん、いかがですか〜?」の声が聞こえるようである。
 氏は大鉈をふるい、マツシタを立て直し、“メーカー”としては復活した。これからはお客さんである。どれだけナショナルを愛してもらえるか? お客の顔をじっくり見る「人」と「販売店」をどうするのか…お手並み拝見である。
 
 
 
 
 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

  ―平成20年7月2日号・完―  
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