週刊アクセス
 
 
平成20年9月24日 第437号
 
     
  今週のヘッドライン  
 
不動産関連業種の倒産に「貸し剥し」の影−帝国データバンク調べ
 
     
不動産関連業種の倒産に「貸し剥し」の影−帝国データバンク調べ
  (帝国データバンクホームページ H20.9.3)  
   TDB景気動向調査(特別企画)「融資姿勢および資金調達に関する企業の意識調査」から。

『国内銀行からの企業向け貸出は全体で増加している一方、中小企業向けでは減少している。また、TDB景気動向調査での金融機関の融資姿勢DIでも半数の業界で判断の分かれ目となる50を下回るなど、徐々に金融機関の融資姿勢に変化が現れており、資金繰りの悪化による倒産の事例も増加してきた。
 そこで帝国データバンクでは、金融機関の融資姿勢や資金調達に関する企業の意識について調査を実施した。
 調査期間は2008年8月20日〜31日。
 調査対象は全国2万1,000社で、有効回答企業数は1万751社(回答率51.2%)。』『…(2008年に入ってから、金融機関による貸し渋り・貸し剥がしが)「あった(ある)」とした企業を業界別にみると、『不動産』が同25.7%(68社)となり4社に1社に達している。特に、不動産売買業では半数近くに上っている。次いで、『建設』が同11.4%(166社)と1割台となっており、景況感の急速な悪化に見舞われている両業界において、貸し渋りや貸し剥がしを受けた割合が特に高くなっている。規模別では、『大企業』が同4.3%(101社)であったのに対し、『中小企業』は同8.7%(733社)と2倍以上の差となっており、企業規模による違いが現れる結果となった。』


いわせてんか! なにかしら、過去の再来のようである。
 あのバブルの崩壊も、金融の蛇口を急速に閉めた『総量規制』が一番の引き金だった。経験が、今回の金融機関の対応をシビアにさせているとも言える。ただ、今回は様々な外的要因が重なっていることも見逃せない。
 不動産の価格には、この“ムード”が強く影響する。いわゆる“売り手市場”から“買い手市場”への転換が思った以上に早く、かつ、大きい。金のなる木は、みるみる在庫へと変わっていく。借入を引き上げられたら、循環は終わる。
 “二極化”といわれて久しいが、これから線引きがもっとシビアになるだろう。「秋の日はつるべ落とし…」ではないが、影の伸びが速い。

 
 
 
 
 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

  ―平成20年9月24日号・完―  
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