週刊アクセス
 
 
平成22年1月20日 第506号
 
     
  今週のヘッドライン  
  こんな時代の賃料交渉
 ―賃料負担が上昇! オーナーとの共存を前提とする。
 
     
こんな時代の賃料交渉
 −賃料負担が上昇! オーナーとの共存を前提とする。

   
 

いわせてんか! 内閣府の今年最初の月例経済報告がなされて、持ち直し判断は半年継続しているとのこと。しかしテレビの街角インタビューでは、疑問の声も聞かれる。
 最近、商業地の鑑定や、テナント企業へのヒアリングなどをしていると、消費者の確保に頭をひねらせる企業人が多い。印象として、提供される商品やサービスが非常に多様化・深化していることと価格破壊が要因と感じた。 リピートしてもらわないと収益は維持できない。顧客の心をどうやって捕まえるか? これが大変難しくなっているようだ。
 経済報告の「持ち直し」は、一時的な株価や輸出関連企業の回復に依存しているようであり、消費者・労働者や内需に落ちてくるまでの量ではない。先行きの懐不安のなか、モノやサービスを受けようとする消費者が満足するには、質・量とも相当に「いいもの」でなければならない。単純に、企業の売上は下がりコストは上昇するため、利益を圧迫する。
 翻って不動産評価だが、まずは賃料にフォーカスが当たる。固定費である賃料は、売上予測等をもとに、一定割合の配分がされる。しかし、売上・利益が下がれば、相対的に賃料負担は増加する。近時の利益減少は急激であり、賃料の変動はついていけていない。確かに、地主・家主は契約があるので、借りている企業の運営の良し悪しは直接関係がない。
 しかし、その建物そのものがテナント企業の特殊用途に限定され、家主とテナント企業が協力して共存しようと目論んだ契約なら、一定の考慮があってしかるべきだろう。オーナーは次の借り手を捜すことが難しく、転用しようにも大きなコストがかかるからである。
 赤字が継続するなら、店を閉めなければならないことにもなろう。こんな時期に次を考えると、現テナントの撤退はオーナーにとっても痛手のはずだ。賃料減額の交渉についても、十分な配慮が望まれるところである。
 
 
 
 
 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

  ―平成22年1月20日号・完―  
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