週刊アクセス
 
 
平成22年5月19日 第523号
 
     
  今週のヘッドライン  
  iPadが不動産ネット成約を後押しする?
 −現場で「こだわり条件」を入力し、競合物件を検証する
 
     
iPadが不動産ネット成約を後押しする?
 −現場で「こだわり条件」を入力し、競合物件を検証する

   
 

いわせてんか! 今月28日、iPadが日本に上陸する。
 連日、ニュース番組やバラエティーで紹介され、予想するより大きなインパクトがあった。特に、電子書籍は、商業ベースの雑誌を中心に、本とサイトの融合が新たな消費を呼ぶのでは…と、思わせるほどだ。
 ここで不動産市場におけるiPadの使い道を勝手に予想したい。それは、消費者にとって、不動産の物件探しでの強力な交渉ツールとなる、というものである。
 現在、HOMESやアットホーム、SUMO、Yahoo!不動産といったネットポータルでの不動産検索は定着し、その検索ツールも消費者に合わせた、非常に使い勝手のよいものになっている。例えば、賃貸物件における「こだわり検索」。最寄駅・駅距離限度やエリアを指定し、賃料の上限・下限を設定する(これも、スライドバーを使って操作しやすい。)といった基本的なところから、「B/T(バス・トイレ)独立」といった条件にチェックを入れると、これを備えた物件だけに絞り込まれる。これは一つ一つの条件、おのおのについて行われるため、消費者は物件の選択を、細かく行うことができるのだ。自分の財布と相談しながら、住むための条件を、ひとつひとつ吟味していく。
 鑑定風にいうと、賃料形成要因の有無・程度を考慮しながら、賃料を判断するのである。
 そこでiPadが登場する。今までは、家のパソコンであらかじめ検索して物件を絞り、プリントアウトしてから現地へ向かっていた。これではタイムラグができるし(いい物件は、すぐに埋まってしまう!)、現地へいったら、ネットでみた条件と違うものだったりして、選択自体がパーになることも。しかし、iPadなら、現場で、今生きている物件について、条件設定や各々の変更ができる。エリアを限定しているので、現場で条件を変えることにより、落ちていた物件をもう一度復活させたり、条件違いを“見比べる”こともできる。(ちなみに、iPhoneでは画面が小さくて勝手が悪いが、Google MapもiPadなら十分すぎる動く地図だ。)仲介の人を、iPadで質問攻めにすることも! 同一条件の競合物件が手元にあるため、「あちらか、こちらか」も現場で逡巡できる。仲介のひとの「おすすめ物件」だけの選択肢に陥らなくてもいいのだ。
 ネットポータルの方からは、不動産のネット成約は加速度的に増えていると聞いた。iPadは、これをもう一段後押しするかもしれない。一方、家主さんや仲介業者の方は、ここまでネット成約が増えてきたら、条件提示の真摯さが、空室減らしに十分効果を出せるかもしれない。
 さて、iPadの使われ方や、いかに?
 
 
 
 
 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

  ―平成22年5月19日号・完―  
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