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平成22年7月7日 第530号 |
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今週のヘッドライン | ||
統計を扱うときは“経験則”を大切にする −感覚と異なる統計結果は“疑ってみよ” |
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統計を扱うときは“経験則”を大切にする −感覚と異なる統計結果は“疑ってみよ” |
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先週に引き続き、統計について。 統計数値、特に公的機関が公表するものについては信頼性が高いといわれるが、データの定義やまとめかた、時系列的な連続性など、特に期間を追ってその変化を見定めようとする時は十分に慎重になる必要がある。 例えば、トレンドの転換点を知る「谷・山」の場合、どこが強気と弱気の変わり目なのかが重要だが、連続性が問われる。 ある都市の「土地取引数」の時系列データを分析したときのことである。あるデータでは平成20年に減少した後へ、平成21年に上昇していた。経験的にはH21でもう一度上昇するのは解せない。もうひとつのデータと比較して変わったのは、前者は土地取引といっても、筆単位かつ区分所有敷地権を含めたデータ、後者は所有権移動単位(筆の名寄せあり。)かつ区分所有を別にした、純粋な土地取引データだった。後者ではH20からH21は横ばいであり、感覚と合う。前者の逆転は、ひとつの所有権移動で筆数の多いものが複数あったのだろう。「土地取引」というデータ性質からいって、所有権移動単位の後者のほうが、より正確なデータといえる。 現場感覚と異なるデータ結果が出た場合、「現実はこうなんだ」という発見もあるが、往々にしてデータの性質からくる「トレンドとの相違」がある場合が多いとのこと。慎重にデータ性質を見極め、複数の統計から検証するなどの見極めが必要だ。 |
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※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。 | ||
―平成22年7月7日号・完― | ||
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