週刊アクセス
 
 
平成25年5月29日 第670号
 
     
  今週のヘッドライン  
  都市近郊住宅地には、老人ホームと整骨院
 −「先進老人大国」日本の10年後を見据えて、どんな知恵を出していくか?
 
     
都市近郊住宅地には、老人ホームと整骨院
 −「先進老人大国」日本の10年後を見据えて、どんな知恵を出していくか?

   
 

いわせてんか!  弊社の主要業務に、市町村を隅々まで調査して、路線毎の価格をつけていく公的な業務がある。今の時期は、その基礎調査として町を歩いている。その話を社内でしていた時、地域の変化、具体的には建物利用の変化から、町、大きく言えば日本の未来像について、不安が共有された。
 その変化とは、老人ホームの急増と、これに関連する小規模の「デイケアセンター」「整骨院」「マッサージ」など新入居である。比較的都心に近い衛星住宅都市が対象で、小規模のビルの路面店舗が空いたなあと思っていると、後者の施設が入ってくる。案外駅に近いところで、敷地が大きい雑居ビルや老朽化したマンションの跡地に、前者のホーム系統が新築される。
 定年が伸びているとはいえ、後10年もすれば大多数の団塊の世代が生産年齢人口を外れ、そのうちかなりの数が、在宅もしくは施設での一部・全部の介護が必要となる。これを支える物理的インフラと人的労働力を思うと、不安を隠せない。みなさんも、今はいいとして、10年後・20年後を想像していただきたいのである。
 世界に先立って「先進老人大国」を進む日本。前例がないだけに、国民全員での議論が必要だろう。不動産インフラひとつとってみても、どのように用途転換し、利用権設定を世代間・所得階層間でうまくしてゆくか? 絶対所有権が強い一方で、長期的構想が欠かせないため、いい知恵を出すのは大変である。
 近視眼的、その場しのぎの政策には要注意である。もちろん、支えとなるべき若い世代が、WEBなどをフル活用して、大きな声をあげる必要があるだろう。
 
 
 
 
 ※「いわせてんか」は、(株)アクセス鑑定の統一見解ではなく、執筆担当者の私見にすぎません。

  ―平成25年5月29日号・完―  
 戻る  
     
 
アクセス鑑定『今日のおやつ
カラ梅雨気味ですね。
カラ梅雨気味ですね。