特集3
鑑定士の目で見たPFI
〜PFIは”公共事業ビッグバン”となりえるか?〜 @
松 永  明
目次      1.PFIって何?(今回掲載分)
     2.日本版PFIの今
     3.PFIの具体例や理論編の紹介
     4.アドバイザーとしての不動産鑑定士の役目
     5.まとめ

1.PFIって何?

昨年7月にPFI法が成立しました。プライベ−ト・ファイナンス・イニシアティブの頭をとったもので、「従来公的部門によって行われてきた社会資本整備・運営等の分野に民間事業者の資金経営ノウハウ等を導入し民間主導で効率的・効果的な社会資本の整備等を行おうとする手法」で、最近はやりのアウトソーシングの公共版といったところです。
社会資本の具体例として公園や道路、庁舎、ゴミ処理場等がありますが、社会資本の性格として@非競争性、A排除不可能性を有しており、言い換えれば政府が提供するものが社会資本であり、これを問い直したのがPFIと言えます。これからは、超高齢化社会を迎え、貯蓄率は低下していくのは明白で、今のうちに将来に向けた社会資本の整備をすることが急務でありPFI事業は広がっていく行くものと思われます。
PFIは英国が「小さな政府」をしていくためにサッチャー政権時に積極的に奨めた手法で、ドーバー海底トンネル、刑務所、高速道路等多岐にわたっています。
英国は、「国民の支払う租税に対し、最も価値の高いサービスを提供する」いわゆるVFM(バリュー・フォー・マネー)良いものをより安くが基本にあります。即ち、通常の公共事業による場合(PSC)とPFI手法による場合と比較して費用対効果が大きい方を活用することになるのです。
ここで、比較する上でのカギがリスク分担をどうするかです。たとえば民間部門はコスト削減、収入増加に向けた自助努力が促されVMFは増加するが、過度に民間事業者にリスク移転すれば事業の失敗を招き、結果としてVFMが低下することになります。
したがって、その最適なリスク分担をどうするかが最大の課題となるのです。
ところで、英国PFIの起源は実は日本なのです。いわゆる官民共同事業で行う第3セクター方式から英国はいろいろなことを学び「3セクのようにはなりたくない」という点からPFIを導入したといわれています。
PFIと3セクとの明確な違いは、一言でいえば責任の取り方が明確か曖昧かの点です。
そこで、日本は逆輸入されたPFIをどう消化していくのかについては、次項に述べて行きたいと思います。以上

(次回は、日本版PFIの今について述べます。)

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